光拡散天窓とは何ですか?


ガラスの下側に樹脂板を挿入した天窓(トップライトとも言う)です。 樹脂板は、光を拡散し、強い直射光の入射及び紫外線をカット、雨漏りを防ぎ、断熱性能を高くするなど働きがあり、これまでとは全く違う高機能な光拡散天窓です。

一番外側のガラスが耐候性や強度や防火性能を受け持つため、樹脂板は自由な形状や性質を持たせることが可能となります。
特に樹脂板の光を拡散させる機能により、天窓からの光を照明器具のようにバランスのとれた明るさにすることができます。


ひかり屋根とは何ですか?


太陽の光を「そのまま灯りとして使う」ことをコンセプトにした光拡散天窓を用いる照明システムです。
身体や心によい明るさ、適正な配置、照明器具との協調、既存の天窓の問題点を解決する機能性向上、施工性向上などの目的で開発しました。

「ひかり屋根W470」
「ひかり屋根つなぐ」 
「ひかり屋根アトカラ2」

ひかり屋根シリーズの3つの技術開発を行い、国内の特許を取得しました。「ひかり屋根つなぐ」については海外特許を13カ国に出願しております。

近年、省エネや温暖化効果ガス低減の目標達成が世界規模でSDGs取組結果としてその必要性が叫ばれています。光拡散天窓によって、「持続可能な」光のエネルギーそのものである太陽光を照明として  活用していく弊社の技術開発がSDGsの推進に大きく寄与することを目指してやってきました。その開発の成果が「ひかり屋根」です。


天窓から雨漏りしませんか?


ひかり屋根では、二次防水による万全の雨漏り対策を施した天窓だけを採用するため、誰が見ても納得いただける完全二次防水機能を持った光拡散天窓の「ひかり屋根W470」を開発し、販売開始しました。

屋根上に設置される天窓は一般的には縦窓に比べ採光が有効に取れますが、それだけに過酷な使用条件となり、構成部材の劣化、暴風雨、烏などの被害によって漏水が起こることがあります。この問題を解決し、長期間耐えられる商品として開発しました。「ひかり屋根W470」は「ひかり屋根つなぐ」の天窓=トップライトとしても使用しています。


W470が他の天窓と異なり雨漏りしない理由を教えて下さい。


光拡散天窓のサイドフレームを、折板屋根のハゼと組み合わさる形状としたことで、接続部品を用いず、ハゼ折で屋根と一体にすることが可能となりました。また、サイドフレームはハゼ折前でも折板屋根の上で自立するため、施工性が格段と向上しています。 光拡散板を両端とも立ち下げ加工することで、漏水をサイドフレームの排水経路に流すことが出来るよう設計し実現しました。

流れ方向の拡散板の接続は、立ち上げ加工を行い、逆U字形のガラス受けリブをかぶせることで、自在継ぎ手となり熱伸縮の大きな拡散板(定尺3メートル、2.4メートル)を連続してシールやビスで固定するせずにつなぐことができるようになりました。

光拡散板を敷設することで、ガラスを設置する前でも雨が室内に流れることが無くなり、施工性と防水性に優れた光拡散天窓が実現出来、大田区新製品新技術コンクールで「おおたECO推進賞」を受賞しました。


夏場の暑さは何とかなりませんか? 既設の天窓の改善対応は出来ますか? 光拡散天窓どのように優れているのですか?


外の照度が10万lxの場合、ガラスだけの天窓の下は約3万lxになり、この光線を熱いと感じます。拡散板を既設の天窓の下から取り付けると約2500lxになり、強い反射グレアがなくなり、均斉度のある照度となり暑さも解消されます。このような目的で「ひかり屋根アトカラ」を開発し、製品化しました。(施工の検討には現場を調査をする必要があります。)「ひかり屋根W470」と「ひかり屋根つなぐ」も同様の技術を使い、均斉度の高い光を拡散します。

この照度グラフのように光拡散天窓を設置すると多くの時間帯で電力を使用せずに800~1000lxほどの明るい照明が得られるので作業や業務の質や作業者の方のモチベーション向上などに繋がります。あなたが作業をする時に電力を使った400lxほどの照明と 電力を使わずに1000lxの明るい拡散光の照明のどちらで作業をしたいと思いますか?


「ひかり屋根つなぐ」は照明電力の節約になりますか?


60%程度の節電が可能と考えられます。

光拡散天窓であれば必要照度や立地条件にもよりますが、物流倉庫で日照時間帯の少なくとも60%以上は節約になります。
就業時間8時間のうち昼間の5時間ほど(60%以上)の時間帯はほとんど照明が消えている状態になると、ある専門誌での報告もあります。また、照明器を使わなければそれだけ寿命も延びることになりますし、CO2削減にも貢献するわけです。

膨大な屋根施工面積の下で消費される照明エネルギーは馬鹿になりません。エネルギーのほとんどを輸入に頼る我が国の産業競争力をあげるため、事業者のエネルギー節約投資努力について、経済産業省が支援をしております。(エネルギー使用合理化等事業者支援補助金・地域工場、オフィス、店舗など省エネルギー促進事業等)


どんな建物にでも設置できますか? 既設の屋根にも設置できますか?


弊社の光拡散天窓は折板屋根に特化して開発しております。

折板屋根以外に設置されたい場合はどんな屋根かお聞かせください。


空調に負荷は与えますか?


空調負荷を考慮しても年間40%の節電が可能です。

光拡散板天窓でも熱は入り空調に負荷がかかります。冬場はプラスに働きますが、夏場は長い期間マイナスに働きます。
専門誌によると、年間を通して負荷を考慮しても年間40%の軽減が期待できます。


ひかり屋根つなぐは8M以上の高天井でも調光が出来るのは何故ですか?


天窓と太陽光パネルに同じ条件で太陽光を照射すると天窓による作業面照度と発電量は正比例します。太陽光パネルが照度センサーの役目をはたして室内の照明器を高さや周囲の物体からの干渉とは関係なく調光する特許技術を採用しているためです。


ひかり屋根の技術が野菜の栽培に役立つのですか?


光拡散天窓の下の生花がいつまでも枯れなかったというお客様のご意見を頂戴し、拡散光が植物栽培にも適しているという実験のヒントとなりました。実験の結果は太陽からの直射光に比べても良好な栽培(約3倍の大きさ)となり、ソーラーシェアリング(土耕・水耕)等の更なる研究を継続しています。

拡散光と直射光での植物育成の比較


ひかり屋根の技術がカフェなどのくつろぎの空間に役立つのですか?


光拡散天窓が設置されたカフェ(有名チェーン店)の店員さんや責任者の方からの声として、「何ともいえないやさしい灯り」「癒される」として「光拡散天窓の下の席をカフェを訪れるお客さまが好み、結局その席に集っている」という評価をいただき、更にその「くつろぎ・癒し」効果を研究を進めて行きたいと考えております。


社会の様々な課題を解決していくため拡散光を活用する研究開発として、どんなテーマを今後検討していきますか?


気候変動による強風(台風やハリケーン)被害・水害や山火事被害などが世界で大きな問題になっています。こうした際の避難施設(仮設住宅など含む)に、例えば蓄電池とひかり屋根つなぐを設置した施設を提供することが出来れば、送電線網が切断されたり、無電力地域にある仮設の施設が、照明及び、ある程度の電力を自給できるZEH(ゼロエネルギーハウス)としてスピーディーに供給できる可能性に繋がります。こうした社会や世界の課題の解決に役立つようなテーマに沿って開発検討を行っていきたいと考えております。

ひかりのオアシスPJで、ご紹介するイメージ図は、こうした課題への解決を想定して作成したものです。このような活用が進んで行けば、蓄電池の価格も低下していき、相乗効果でより現実的な解決策となっていくことを期待して研究を続けて行きます。